大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和48(あ)1759 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人中嶋忠三郎、同市川照己、同遠藤和夫、同辻本年男、同丸山一夫連名の上

告趣意及び弁護人中嶋忠三郎、同遠藤和夫、同辻本年男、同丸山一夫連名の上告趣

意について。

所論のうち、憲法三七条二項、三項違反をいう点は、刑訴法二二八条二項が同条

の証人尋問にあたり弁護人の立会を任意にしているからといつて憲法の所論条項に

違反するものでないことは、最高裁判所昭和二五年(あ)第七九七号同二七年六月

一八日大法廷判決・刑集六巻六号八〇〇頁及びその趣旨によつて明らかである。ま

た、記録によれば、所論の証人Aは、刑訴法二二七条、二二八条に基づく所論証人

尋問調書が作成されたのち死亡したため、第一審が、検察官の請求により、同法三

二一条一項一号により右証人尋問調書を証拠として採用したのであつて、結局、被

告人には証人尋問調書について証人を反対尋問する機会を与えられずに終つている

けれども、憲法三七条二項は反対尋問の機会を与えない証人の供述を録取した書面

は絶対に証拠とすることを許さない旨を規定したものではなく、公判廷外の供述を

録取した書面を証拠とすることとしても、供述者の死亡その他供述者を裁判所にお

いて尋問することを妨げるやむを得ない事由があつて、そのため被告人に反対尋問

の機会を与え得ないような場合には、右条項に違反するものでなく、したがつてま

た同条三項に違反するものでないことは、最高裁判所の判例(昭和二三年(れ)第

八三三号同二四年五月一八日大法廷判決・刑集三巻六号七八九頁、昭和二五年(し)

第一六号同年一〇月四日大法廷決定・刑集四巻一〇号一八六六頁、昭和二六年(あ)

第二三五七号同二七年四月九日大法廷判決・刑集六巻四号五八四頁)の趣旨に照ら

し明らかであるから、この点に関する原判断は結局正当である。論旨は、理由がな

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い。

その余の所論は、違憲をいう点を含めて、その実質はいずれも単なる法令違反又

は事実誤認の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

よつて、同法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和五〇年三月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 辻 正 己

裁判官 関 根 小 郷

裁判官 天 野 武 一

裁判官 坂 本 吉 勝

裁判官 江 里 口 清 雄

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